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CA19-9

CA19-9は、消化器系の癌の診断や経過観察に用いられる腫瘍マーカーです(糖鎖抗原19-9、 carbohydrate antigen 19-9) 。特に、膵臓癌の診断に有効とされています。

主に膵管、胆管、胆嚢、唾液腺、気管支腺、前立腺、胃、大腸、子宮内膜などに存在し、これらの癌化によって大量に産生されます。

特に、膵癌、胆管癌、胆嚢癌で80~90%、胃癌、大腸癌で30~50%の陽性率を示し、消化器系癌の腫瘍マーカーとして最も多く利用されています。

37.0 U/mL以下

各種消化器悪性腫瘍の腫瘍マーカー。ただし、慢性膵炎や肝炎患者、胆石症患者では、基準値を超えることがあるため、注意が必要です。

●37~50U/mL(軽度増加)

[高頻度]若年婦人 

[可能性]良性膵・胆道疾患,膵炎、肝炎、閉塞性黄疸、妊娠、子宮内膜症,卵巣嚢腫,子宮筋腫,糖尿病,肝硬変、胆石症、溶連菌感染症

●50~100U/mL(中等度増加)

[高頻度]良性肝・胆・膵疾患,良性婦人科疾患,慢性呼吸器疾患 

[可能性]膵癌,胆道癌,消化器癌,卵巣癌,子宮体癌,肺癌

●100~1,000U/mL(高度増加)

[高頻度]膵癌,胆道癌,卵巣癌,進行消化管癌,進行肺癌 

[可能性]胆石症,胆管炎,卵巣嚢腫,気管支嚢胞,気管支拡張症,溶連菌感染症

 

(補足) CA19-9の数値が高い場合は、まず医療機関で検査を受けることが望ましいです。悪性疾患以外にも良性疾患が原因でCA19-9の数値が高くなることがあります。医療機関で検査を受けた後、必要であれば超音波検査、胃、大腸内視鏡、CT、MRIなどの画像診断や、血液検査以外の検査が行われることがあります。

 

CA19-9 は、膵癌の診断だけでなく、治療効果判定や再発の指標にも用いられます。また、他の腫瘍マーカー(CEAなど)と併用することで、診断精度を向上させることができます。

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